日本では昔から縁起を重視することが多く、縁起の悪いものは嫌われる傾向にあります。このため、お祝いの贈り物をする時には、縁起の悪い物は禁忌とされ、結婚祝いはもちろん様々なお祝いの贈り物には気をつける必要があります。4や9といった数字は、結婚祝いのみならず一般のお祝い事でも敬遠されます。これは4が「死」を連想し、9が「苦」を連想するためで、4と9が組み合わされる言葉の「櫛」は、最も避けるべき贈り物の一つです。
お茶もまたお祝い事では敬遠される物の一つです。茶柱が立つと縁起が良いとされるお茶ですが、多くは弔事のお返しに用いられるため、お祝い事ではあまり使用されません。お祝いのお返しとして良く利用されるハンカチは、漢字で「手巾」と書くため手切れを連想し、お祝いの品として贈るのは良くないとされています。また、ハンカチには絶交の意味もあるため、縁起を気にする人に贈った場合は怒られる可能性があります。
このように、お祝い事には贈ってはいけない共通の物が存在しますが、お祝い事それぞれに独自の忌み嫌われる物が存在します。結婚祝いでNGとされるのは、「切れる」ものや「割れる」もの、「裂かれる」ものです。全て文字通り二人の仲に関するもので、割れやすい素材の商品のほか、包丁やハサミなど道具が持っている機能も問題になります。お見舞いに鉢植えやケシの花を贈るのも同様で、鉢植えは根付くことから縁起が悪いとされ、ケシの花は散りやすいことから敬遠されています。